取り組み
更新日時:2023年10月26日

禁煙CMコンテスト

 

コンテストの目的・趣旨

日本国内だけで年間20万人、世界中で600万人もの人がタバコ(受動喫煙を含む)が原因の疾患で亡くなっています。COPD、肺ガン、食道ガン、咽喉頭ガン、胃ガン、心筋梗塞、脳梗塞、クモ膜下出血など多くの疾患がタバコ(受動喫煙を含む)で発病し、あるいは悪化させます。タバコには放射能があり、肺の扁平上皮癌などの原因になっていることも証明されています。受動喫煙でアルツハイマー病(認知症)になるリスクが高まることも明らかになりました。PM2.5で紙巻きタバコが、TVOCで加熱式タバコによる受動喫煙が、数字できちんと表せる重大な健康被害を起こすことが知られるようになりました。

ニコチンはヘロイン、コカイン、覚醒剤に負けずとも劣らない依存性を有しています。多くの人がタバコのポスター、映画、パッケージの美しさなどに惹かれ、依存症となってやめたくてもやめられないというアリ地獄に落ちているのです。

妊産婦の喫煙・受動喫煙も低体重児出生、早産など、また子ども・未成年者の受動喫煙は呼吸器疾患、ぜん息、鼻炎・中耳炎などを引き起こします。

タバコは情報が過疎である貧困層の喫煙率が高いのです。そして、両親の疾病、早死などで貧困が再生産されていきます。少しでもタバコ臭がすることは、すでに受動喫煙を生じている証拠です。加熱式タバコや電子タバコといったタバコの危険性は紙巻きタバコに勝るとも劣るものではありません。

これらは、WHOの多数の書類、アメリカ合衆国政府の公表物、たとえばSurgeon General's Reportなどで繰り返し、繰り返し出版し警告されています。世界の多くの国では人々の健康を守るためにそれが報道されており、アメリカをはじめとする134か国ではタバコの箱には画像による健康警告があり、受動喫煙防止法、メントールを製品に入れない規制などがおこなわれています。FCTC(タバコ規制枠組条約)は、タバコの害の恐ろしさを認識した各国政府がタバコの消費を減らす目的で2004年に作られ、翌年発効し、現在は日本を含む世界の182か国が批准しています。

それにもかかわらず、日本では「日本」たばこ産業株式会社という、政府が1/3を所有している会社があり、政治家・タバコ産業・財務省という悪のスクラムを組んでおり、タバコの危険性が国民の眼から隠されています。

この動画CMコンテストは、喫煙・受動喫煙が健康に危害を及ぼすこと、そして一度でも吸うと、依存症になって二度とやめられない人が多いことを明らかにし、身近な人や尊敬する人の健康を守るために、動画CMを作っていただき、優秀作品を禁煙推進の動画CMとして、YouTubeなどの動画サイトに掲載し、啓発と社会改善を進めようとするものです。

多数の作品応募をお待ちしています。

 

2023年11月11日

 

                       動画CMコンテスト審査委員長 作田 学

 

2023年 第13回禁煙CMコンテスト

第13回「タバコは健康を損なう:動画CMコンテスト」受賞作品集

今回も約240という多数のご応募をいただき、ありがとうございました。最年少は10歳でした。 今年の入選作品もまたYou Tubeに公開いたします。この「禁煙CMコンテスト」入選作品を色々な媒体に自由にお使い頂き、学校での教育などに広く役立てて頂ければ幸いです。 加熱式タバコの害が少ないとタバコ会社は宣伝していますが、これはまったくのウソです。加熱式タバコには、燃焼式タバコにはない、あるいは少ない、有害物質や発癌物質が多く含まれているのです。決して手を出さないでください。燃焼式と加熱式を併用していると、肺疾患になりやすいというデータもあります。タバコは大麻などの麻薬へのゲートウェイ・ドラッグでもあります。 タバコに手を出すと依存症になって一生タバコ代を支払いつづけ、その間に病気になり、半数の人は死亡します。 また、喫煙者は新型コロナウイルスで重症化、死亡しやすいことはWHO、日本禁煙学会などの多くが警告しており、すでに常識になっています。ワクチンの効果も非喫煙者の半分でしかなく、ブレークスルー感染もおこしやすいのです。さらに新型コロナウイルスの後遺症も喫煙者は数倍も起こしやすくなります。 なんとか、この負の連鎖を止めましょう。 詳しくは講評をお読みいただきたいと存じます。 この「禁煙CMコンテスト」は、来年も続けていくことになりましたので、お待ちしております。

禁煙CMコンテスト審査委員長(一般社団法人 日本禁煙学会 理事長)作田 学

 

2023年第13回禁煙CMコンテスト 総評

今年も沢山の応募がありました。全国から約240本。年齢もバラエティに富んでいます。

1位が1本、2位が7本、3位が8本、合計16本の入賞。なかなか狭き門になりました。見事入賞された皆さん、おめでとうございます!

全体的な映像のレベルも上がっています。アイデアや言葉、最終的なまとまりの点であと一歩、惜しい作品もありました。また、ご家族や友人、学校のクラスメイトで仲間を募って取り組んでくださった皆様には心から感謝申し上げます。その取り組み自体が、人々の健康を守り、社会を良くすることにつながるはずです。

力作揃いの入賞作をお楽しみください。そして、みんなでタバコで苦しむ人がいない社会を作っていきましょう。

(審査員/講評者プロフィール)

藤本祥和(ふじもとよしかず)。ラジオディレクター、カウンセラー(REBT心理士、動機づけ面接トレーナー)。『笑って禁煙できる本』(白夜書房)著者。

 

1位 「DomiNo Smoking」北海道情報大学(P.N.)  大学生 北海道

タバコのパッケージのドミノ倒しで禁煙を表現。タイトルはDomino(ドミノ)とNo Smoking(ノースモーキング)の掛け言葉になっています。オフィスで、キャンパスで、居酒屋で、タバコのドミノ倒しが続きます。いちど喫煙を始めると、やめられなくなってしまう恐ろしさ。そして最後に倒れるのは...。いいCMは長々と説明しなくても、一言でそのアイデアが言い表せます。今年の優勝作品は「ドミノのCM」ですね。シンプルなアイデアと、それを実現する根気強さ。第1位おめでとうございました!

 

2位「おぞましい喫煙妖怪ずかん」与太ガラス&ドブリンwithじゅんじゅん&ふゆちゃん(P.N.) 会社員 東京都

むか〜しむかしの「喫煙妖怪ずかん」。喫煙所を探して徘徊する「いつでもタバコ吸うゾンビ」、笑いながら煙を撒き散らす「妖怪ヤニかけババア」などユニークな妖怪たちの運命は...? 次の世代にはタバコが「むか〜しむかし」の話になるようにとの願いが込められています。

 

2位「”助かった命”」 叶かずゆき  タイタンの学校6期生芸人コース在学中 東京都

叶かずゆきさん(俳優・タレント)の実体験です。2020年に脳動脈瘤が見つかり手術。原因は特定できないものの、命を救ってくれた主治医の言葉「タバコは100%死ぬよ」をきっかけに、タバコはきっぱりと止めました。毎日を生きられることの感謝と喜びが伝わってくるCMです。

 

2位「【Q&A】加熱式タバコの真実」KRC(P.N.)  クリエイティブ職 兵庫県

紙巻きタバコと比べて何となく健康に良さそうなイメージの加熱式タバコ。本当でしょうか? このCMではQ&A方式で素朴な疑問に答えました。「Q1:健康被害」「Q2:他人への害」「Q3:禁煙補助に使える?」「Q4:かっこいい?」。単なるイメージではなく、科学的に役立つ知識を持つきっかけになりますね。

 

2位「自分の身体と話し合おう」田部ゼミD班(P.N.)  学生 埼玉県

「脳」「肺」「心臓」「歯」という人体の大事な部分が参加するオンライン会議。それぞれが最近調子悪いことについて報告、そんな会議中にもトラブルが発生。喫煙の悪影響を受けやすい体の部分を擬人化して、「自分の身体と話し合おう」というメッセージを印象的に表現しました。

 

2位「禁煙を促進する検証動画」MOVA(P.N.)   フロントエンドエンジニア 東京都

インターネット上に玉石混交の情報が溢れる時代。このCMでは、シンプルに科学的な検証を表現しました。「タバコを吸うと肺はどうなるのか」「タバコの匂い」「タバコの環境被害」。余分な情報を省いて観察すれば、喫煙の事実はどんな風に見えてくるでしょうか?

 

2位「喫煙者のトリセツ」常石優正  教員 東京都

JTが長年続けているマナー広告シリーズへのアイロニーをこめたCM。タバコは健康問題ではなくマナーの問題だとアピールしたいJTに対して、こちらのメッセージは、「あなたが止めればすべてが変わる」。JTがイメージ広告を続けている間にも、時代は大きく変化していますね。

 

2位「作家・内田かずひろさんが語る 禁煙して変わったこと」 枡野浩一 ( 歌人・著述業)と 八木賢二郎 (音響デザイン・音効) 東京都

喫煙歴40年だった内田かずひろさん(マンガ家・絵本作家)が語る禁煙についての思いを自然体で表現したCMです。歌人の枡野浩一さんたちのチーム作品。お二人の絵本に内田さんがサインとして書いた言葉も印象的です。

 

3位「長生きする方法を教えてください」みき(P.N.) 教員 東京都

今年、世界的に話題となったチャットAIサービス。「長生きする方法を教えてください」と健康について質問すると・・・いったいどんな答えが返ってきたでしょうか?

 

3位「タバコのない世界へ」 田中優成   中学生 熊本県

タバコが環境に及ぼす影響について調べた作品。中学2年生からの応募でした。よく学べば、その先には「タバコのない世界」が見えてきます。大人も見習わねば。

 

3位「喫煙とSDGs」 塚田ひかり   学生 長野県

2015年に国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)には「タバコ規制の強化を目指す項目」が含まれています。SDGsに注目すれば、メディアで見かけるタバコ産業のイメージ広告とは違うタバコの姿が見えてきますね。

 

3位「禁煙ラップ」 石渡大暉  大学生 神奈川県

粘土で作ったオリジナルの「タバコ」と「肺」のキャラクターがラップを歌うコマ撮りアニメ。禁煙のメリットを独特の質感でリズミカルにアピールしました。

 

3位「喫煙太郎の改心撃!?」 ベルカント アニメ部(P.N.)  会社経営 東京都

タバコが大好きな桃太郎一行は、鬼ヶ島で健康な鬼にまったく歯がたたないどころか、逆にお説教されてしまいます。桃太郎の「快進」ならぬ「改心」撃。

 

3位「仕事中のタバコ休憩」 ジリオン(P.N.)  SNSマーケティング 千葉県

仕事を抜け出してのタバコ休憩。タバコを吸わない人たちからは、どんな風に見えるでしょうか。人形を1コマずつ動かすアニメーションで表現。最後の一言が秀逸です。

 

3位「美味しく食べるために、禁煙しましょう」 緑(P.N.) 会社員 東京都

喫煙による味覚への影響に注目。科学的な情報を示しながら、ビジュアルも一工夫しました。禁煙して、食事本来の味を楽しみたいですね。

 

3位「【タバコの支配】編」 工藤 翔 会社員 東京都

このCMでは、「タバコを吸う理由」をまずは理解、そのうえで、それが「タバコの支配」であることを訴えかけます。自分自身のために、大切な家族のために、禁煙が大切ですね。

 

審査員

作田学(日本禁煙学会理事長)

宮崎恭一(日本禁煙学会理事、総務委員長)

渡辺文学(日本禁煙学会理事、タバコ問題情報センター代表理事)

平賀典子(日本禁煙学会評議員、禁煙工房)

藤本祥和(ラジオディレクター、REBT心理士、『笑って禁煙できる本』(白夜書房)著者。)

 

 

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