第9回「タバコは健康を損なう:動画CMコンテスト」受賞作品集
今回は残念ながら6名だけのご応募をいただきました。
今年の入選作品もまたYou Tubeに公開いたします。 CMコンテスト入選作品を色々な媒体に自由にお使い頂き、学校での教育などに広く役立てて頂ければ幸いです。
昨年のタバコ条約締約国会議で、加熱式タバコもタバコと同様に扱うべきであるという決議がなされました。害が少ないとタバコ会社は宣伝していますが、そんなことは無いと言うことが明らかになりました。 タバコに手を出すと依存症になって一生タバコ代を支払いつづけ、その間に病気になり、半数の人は死亡します。 なんとか、この負の連鎖を止めましょう。
詳しくは総評をお読みいただきたいと存じます。 このCMコンテストは、来年も続けていくことになりましたので、より多くのご参加をお待ちしております。
禁煙CMコンテスト審査委員長(一般社団法人 日本禁煙学会 理事長)作田 学
私が禁煙してから十数年になります。最近あらためて感じるのは、多くのスモーカーがかつての私のように、心のどこかで「タバコを吸わネバナラヌ」と思い込んでいることです。朝起きたら「吸わネバナラヌ」。休憩時には「吸わネバナラヌ」。イライラしたら「吸わネバナラヌ」...本当は、イライラしたときの対処法は星の数ほどあります。でも「吸わネバナラヌ」。すると、タバコが吸えないとき、さらにイライラすることになります。
さて、2019年度禁煙CMコンテスト、今年も力作が集まりました。審査の結果、2位が2作品、3位が2作品選ばれました。おめでとうございます!(1位は該当なしでした。)どの作品も、「タバコを吸わネバナラヌ」という思い込みを考え直すきっかけを与えてくれます。禁煙するほうがいいとは分かっている...でも一方で「吸わネバナラヌ」。そんなすべての人がタバコから自由になれることを願っています。
あと一歩、入賞に届かなかった作品にも、プロレベルの映像クオリティの作品や、中学生が作った粘土アニメの力作もありました。「メッセージの伝え方がさらにまとまるとよかった」という意見もでました。ぜひ今後の参考になさってください。
以下、2位(2作品)、3位(2作品)を紹介します。
(プロフィール)藤本祥和ラジオディレクター。『笑って禁煙できる本』(白夜書房)著者。禁煙治療にも役立つ論理療法や動機づけ面接のカウンセラーでもある。
映画『ミッション・インポッシブル』を思わせる設定。男性がタバコを吸うと、「ニコチン」「一酸化炭素」「タール」のキャラクターがそれぞれのミッション(任務)を遂行すべく体内に。ニコチンは脳で依存性を、一酸化炭素は血管で息切れを、タールは肺でがんを誘発します。ミッション完了!...そして崩れ落ちる男性。タバコの有害性を3つに整理して、CGで表現した秀逸な作品。
子供のかわいい声でノリのいいオリジナルソング。「♪すって すって すって すわれてる?」ちょとしたサブカルチャー系のイラストで、お兄さんもお姉さんもおじさんも...タバコを吸ったとたん大きなタバコに吸い込まれます。さいごは「吸われているのはあなたのいのち」と強烈なひとこと! 音楽とイラスト、メッセージが軽快に組み合わさったハイセンスな作品でした。
和風の光景。庭園に面した場所で「蚊」が音を立てて飛んでいます。ところが「蚊取り線香」の煙で落ちてきたのは...なんと人間! 蚊取り線香が、渦巻状のタバコに変わり、「効果てきめん」のコピーに続いて、喫煙者の死亡リスク情報が。「タバコと喫煙者」を「蚊取り線香と蚊」に見立てたブラックユーモアCM。
若者たちが「お菓子買います」「ハンバーガー買いますね」...と、順々に自分がやりたいことを語ります。そこにナレーション。喫煙者が1日に吸うタバコは平均17.7本、金額にして500円。「はじめよう、500円でできる新しい贅沢」のメッセージ。タバコを止めた先の生活へと目を向けさせる、前向きな作品でした。
作田学(日本禁煙学会理事長)
宮崎恭一(日本禁煙学会理事総務委員長)
平賀典子(日本禁煙学会評議員、禁煙工房)
藤本祥和(ラジオディレクター/『笑って禁煙できる本』(白夜書房)著者)
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