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更新日時:2024年12月9日

18回日本禁煙学会学術総会大会宣言


長谷川 純 一
第18回日本禁煙学会学術総会 会長

半世紀前、成人男性の8割が喫煙者だった頃は、列車や飲食店内のみならず、あらゆる場所に灰皿があり、学校の職員室なども煙が充満していました。家庭内でも客間の灰皿はもとより、生活のあらゆる場面にタバコ煙がありました。
喫煙の有害性が広く認識され、喫煙率が低下するとともに、喫煙習慣がニコチン依存症に基づくという事 実から、禁煙外来での治療対象となりました。
一方、タバコ煙は非喫煙者にも受動喫煙として健康に影響することが明らかとなり、国際的スポーツ大会 などを契機に、スポーツ施設や都市の禁煙化が進展しました。また、健康増進法や各地方独自の法制化が進み、飲食店や公共施設の喫煙制限による健康への有効性についてエビデンスが集まりつつあります。究極の受動喫煙ゼロは喫煙者ゼロであり、海外では、段階的に喫煙者ゼロを目指す抜本的政策も出始めていますが、一朝一夕には難しい課題です。近年の受動喫煙根絶への最大の妨げになるのが加熱式タバコの登場ですが、多くの知見が集まりつつあります。
第18回日本禁煙学会学術総会米子大会を、自らの意思に反して喫煙させられる受動喫煙をなくすという目標に向けて諸課題を考える機会にしたいと思います。

 

【第18回日本禁煙学会学術総会大会宣言】

受動喫煙のない日本へ
私たちは受動喫煙の根絶をめざし、以下の点に注力することを宣言します。

1.加熱式タバコを含む喫煙・受動喫煙の有害性の科学的検証と、一般市民への啓発に努めること

2.ニコチン依存症患者の依存からの脱却を支援すること

3.職場や交通機関、飲食店のみならず、あらゆる空間において、全ての人に受動喫煙が生じないように、法令の整備と遵守を求めること

4.私的空間の喫煙であっても、他者に受動喫煙させることのないよう、住宅での受動喫煙対策について、法令の整備や行政が介入できる仕組み作りを促すこと

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