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更新日時:2025年6月16日New

加熱式タバコは、ガン化と繊維化を促進するmTORの活性化をもたらし、心筋間質細胞の繊維化をもたらす (禁煙学会理事 松崎道幸理事による)

加熱式タバコは、ガン化と繊維化を促進するmTORの活性化をもたらし、心筋間質細胞の繊維化をもたらす (禁煙学会理事 松崎道幸理事による)

Picchio V, et al. Exposure to serum from exclusive heated tobacco product smokers induces mTOR activation and fibrotic features in human cardiac stromal cells. Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis. 2024 Oct;1870(7):167350. doi: 10.1016/j.bbadis.2024.167350. Epub 2024 Jul 15. PMID: 39002704.

 

要約

慢性喫煙者は、心房細動のリスクが高まります(非喫煙者の1.5倍:松崎)。これは心筋繊維化によるものです。加熱式タバコ製品(HTP)の使用は激増していますが、その健康影響はまだ明らかにされていません。この研究では、加熱式タバコ使用者において、ヒト心房間質細胞(CSC)の線維化がどのように関連するかを検討しました。

 

方法

心臓手術患者の心筋検体から抽出されたヒト心房間質細胞に対する、非喫煙者、紙巻きタバコ喫煙者、加熱式タバコ喫煙者別に、遊走障害と炎症誘発性サイトカインの発現状態を検討しました。

 

結果

紙巻きタバコ煙曝露細胞では、郵送障害と炎症サイトカイン増加が観察されました。加熱式タバコ曝露細胞では、線維化促進性マーカーのレベルが上昇し、コネキシン-43の発現が減少しました。紙巻きタバコと加熱式タバコ曝露検体は、非喫煙者の検体よりもmTOR活性が増加していました。(強力な免疫抑制作用を持つ)ラパマイシンを投与すると、紙巻きたばこ及び加熱式タバコ使用検体におけるmTORリン酸化およびaSMA陽性筋線維芽細胞への分化を減少させることができました。

結論

加熱式タバコ喫煙者の血清中の循環分子は、mTOR経路の活性化を通じて心筋間質細胞の線維性挙動を誘導し、内皮細胞および心筋細胞に対する有益な近接効果を減少させます。これらの結果は、加熱式タバコ使用者における心線維症のリスクが想定しうることを示しています。

 

【要点】

  • 喫煙は、心線維症および心房細動の危険因子です
  • 加熱式たばこ製品(HTP)の使用は指数関数的に増加しています 
  • 加熱式たばこ製品が健康に与える影響は、まだ不確かです
  • 加熱式タバコの血清は、ヒト心房線維芽細胞を活性化します
  • 加熱式タバコ使用は、心線維症(ひいては心房細動など:松崎)のリスクを高める可能性があります

 

 

 

 

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