取り組み
更新日時:2020年7月16日

2017年度無煙映画大賞と受賞理由

無煙映画大賞作品賞   「ミックス。」 石川淳一監督

 

無煙映画大賞女優賞 永野芽郁 「ミックス。」「PARKS パークス」「ピーチガール」

無煙映画大賞男優賞 亀梨和也 「美しい星」「PとJK」

無煙映画大賞監督賞 英勉監督 「トリガール!」「あさひなぐ」    

無煙映画大賞特別賞 「笑う101歳✕2 笹本信子 むのたけじ」

無煙映画大賞特別賞 「米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー

無煙映画大賞の目的

この賞は次のようなことを目的に設けられました

➀ 映画に携わる俳優及びスタッフなどすべての働く人々をタバコの能動喫煙、受動喫煙の害および残留タバコ煙の害から守ること。

➁ 映画俳優の喫煙シーンがきっかけでタバコ依存症などになった人が多いので、喫煙シーンをなくすことで当事者だけでなく観客もタバコの害から守ること。

➂ 2004年に日本も批准し、世界179以上の国や地域が批准している国際条約「タバコ規制枠組条約(FCTC)」第13条(注1)を遵守することを促します。

④ ①、②、③により、映画に関わる人々がいつまでも元気に活躍され、また映画を楽しむことができること。また、タバコのない健康な社会となることを願うものです。

 

選考に当たっては、以下のことを考慮しました。

➀ 2017年中に一般公開された日本語映画であること。ただし、原則として時代劇とアニメは除く。

➁ 作品にタバコの煙がでないこと。PP(注2)としてのタバコも登場しないこと。

➂ 誰でもが楽しめる内容であること。

④ なお、特別賞については今の世の中を反映した作品を選定しています。

(注1)FCTC第13条 タバコの広告・販売促進・スポンサーシップの制限・禁止。従来からある情報提供手段(印刷・テレビ・ラジオ)およびインターネット、携帯電話、映画を含むあらゆる形のニューテクノロジーを用いた情報提供手段による広告・宣伝の禁止。

(注2)PP(product placement) とは、映画やテレビの番組内で、広告主の商品を使い、認知やイメージを高めようとする広告手法。広告主は、商品を製作側に提供する。CMよりも商品に対する視聴者の重要度が高いという長所がある。反対に、商品の表現について製作側から制限される場合もある。製作者側も広告主も共同のキャンペーンが張れるというメリットがある。(経済ビジネス用語辞典より)

<受賞理由>

・作品賞 「ミックス。」 石川淳一監督  配給 東宝

学校や仕事、夫婦関係そして家族ともあれこれ事情を抱えた登場人物が、卓球の男女のミックスダブルスを通して人生を再生させる物語をコメディタッチで描き誰でも楽しめる作品としました。社会や家族にひそむひずみを織り交ぜながらも問題を解決していく脚本が素晴らしく出演者もそれに応える名演技でした。元気が出てくる映画です。

 

・主演女優賞  永野芽郁(ながの めい) スターダストプロモーション

「ミックス。」(石川淳一監督)、「PARKSパークス」(瀬田なつき監督)「ピーチガール」(神徳幸治監督)などの無煙作品に出演し、主人公の卓球と恋のライバル役、ちょっとミステリアスな訳ありの高校生役、小悪魔的な同級生役などタイプの異なる女性たちをみずみずしく演じ分けました。今後の活躍が期待できます。

 

・主演男優賞  亀梨和也(かめなし かずや) ジャニーズ事務所

「美しい星」吉田大八監督、「PとJK」廣木隆一監督 に出演。「美しい星」では宇宙人一家の長男を「PとJK」では高校生と結婚する警察官役を好演しました。

 

・監督賞 英勉監督(はなぶさ つとむ) 「トリガール!」 「あさひなぐ」

どちらの作品も、大学生や高校生の恋とは無縁のクラブ活動をすっきりと描いています。地味な種目を紹介し、いわゆるスポ根ものとは一線を画するさわやかな作品です。

 

・特別賞  「笑う101歳✕2 笹本信子 むのたけじ」 河邑厚徳監督

 100歳になっても活動を続けている初の女性報道写真家笹本とジャーナリストとしてペンを持ち学生に語るむのの姿を本人の証言や二人の対談などをドキュメンタリーとして残しました。マイナスイメージのある「高齢化社会」を払拭する「元気な100歳」は中高年を励まし元気を与えてくれます。

・特別賞  「米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー」 佐古忠彦監督

 アメリカ統治下の沖縄で民衆を鼓舞し続けた「不屈」の精神は、さまざまな場面で国家の暴力と闘っている人びとを勇気づけます。

2017年 汚れた灰皿賞(モクモク賞) (注3)

<汚れた灰皿賞(モクモク賞)>

「新宿スワンⅡ」      園子温監督 

「火花」          板尾創路監督   

「3月のライオン 前後篇」 大友啓史監督 

「キセキ あの日のソビト」 兼重淳監督 

「愚行録」         石川慶監督 

 

以上を代表して、汚れた灰皿大賞は「花火」

 

*汚れた灰皿賞(モクモク賞)について

 映倫区分「G」の作品でモクモクだった作品は数えるほどしかありませんでした。しかし、「火花」のような話題性があり、未成年者が見たくなるような作品がタバコの露出が多いことは大変残念なことです。お笑い界が舞台の作品で現実的にも喫煙率が高いのであれば改善していかなければならないのではないでしょうか。

 「3月のライオン」は将棋界が舞台でかつてはタバコ会社が堂々とスポンサーになっていた世界で、今でこそFCTC(タバコ規制枠組条約)効果で一応タバコではない子会社の食品メーカーの冠になりましたが、旧態然とした慣習は残っているようです。未成年の対戦相手にタバコの煙を吹きかける場面などは暴力(スモークハラスメント)以外の何者でもありません。

(注3)「汚い灰皿賞」(Dirty ashtray award)は喫煙シーンの多い映画に対して授与される不名誉な賞です。

過去の受賞歴(作品賞)

2016年度「シン・ゴジラ」(庵野秀明監督

2015年度「ビリギャル!」(土井裕泰監督)

2014年度「魔女の宅急便」(清水崇監督)

2013年度「はじまりのみち」(原恵一監督)

2012年度「しあわせのパン」(三島有紀子監督)

2011年度「ツレがウツになりまして。」(佐々部清監督)

2010年度「アンダンテ ~稲の旋律~」(金田敬監督)

2009年度「おと・な・り」(熊澤尚人監督)

2008年度「ハンサム★スーツ」(英勉監督)

2007年度「キサラギ」(佐藤祐市監督)

(2005年、2006年は該当作品なし)

2004年度「父と暮せば」(黒木和雄監督 宮沢りえ、原田芳雄出演)

 

過去の無煙映画大賞

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