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更新日時:2022年4月8日
 

2020年度無煙映画大賞と受賞理由

無煙映画大賞作品賞   「スパイの妻」 黒沢清監督  配給ビターズ・エンド

 

無煙映画大賞男優賞 お笑い芸人バカリズム 「架空OL日記」 住田崇監督 マセキ芸能社所属

無煙映画大賞話題賞 「鬼滅の刃 無限列車編」 外崎春雄監督 東宝

無煙映画大賞特別賞 「はりぼて」 五百旗頭幸男、砂沢智史監督 配給 彩プロ

無煙映画大賞東日本大震災10年記念賞 「風の電話」 諏訪敦彦監督 配給 ブロードメディアスタジオファミリー賞  「今日も嫌がらせ弁当」 塚本連平監督

無煙映画大賞の目的

この賞は次のようなことを目的に設けられました

➀ 映画に携わる俳優及びスタッフなどすべての働く人々をタバコの能動喫煙、受動喫煙の害および残留タバコ煙の害から守ること。

➁ 映画俳優の喫煙シーンがきっかけでタバコ依存症などになった人が多いので、喫煙シーンをなくすことで当事者だけでなく観客もタバコの害から守ること。

➂ 2004年に日本も批准し、世界179以上の国や地域が批准している国際条約「タバコ規制枠組条約(FCTC)」第13条(注1)を遵守することを促します。

④ ①、②、③により、映画に関わる人々がいつまでも元気に活躍され、また映画を楽しむことができること。また、タバコのない健康な社会となることを願うものです。

 

選考に当たっては、以下のことを考慮しました。

➀ 2020年中に一般公開された日本語映画であること。ただし、原則として時代劇とアニメは除く。

➁ 作品にタバコの煙がでないこと。PP(注2)としてのタバコも登場しないこと。

➂ 誰でもが楽しめる内容であること。

④ なお、特別賞については今の世の中を反映した作品を選定しています。

(注1)FCTC第13条 タバコの広告・販売促進・スポンサーシップの制限・禁止。従来からある情報提供手段(印刷・テレビ・ラジオ)およびインターネット、携帯電話、映画を含むあらゆる形のニューテクノロジーを用いた情報提供手段による広告・宣伝の禁止。

(注2)PP(product placement) とは、映画やテレビの番組内で、広告主の商品を使い、認知やイメージを高めようとする広告手法。広告主は、商品を製作側に提供する。CMよりも商品に対する視聴者の重要度が高いという長所がある。反対に、商品の表現について製作側から制限される場合もある。製作者側も広告主も共同のキャンペーンが張れるというメリットがある。(経済ビジネス用語辞典より)

<受賞理由>

<作品賞> 「スパイの妻」 黒沢清監督

第77回ヴェネチア国際映画祭で「最優秀監督賞」受賞作としても有名です。

1940年軍部が社会を掌握する中、貿易商の夫は仕事で訪れた満州で掴んだ情報をアメリカに流すため画策します。命をかけ夫とともに戦おうとする妻を描きました。

権力にとって都合が悪い情報をコントロールするのは今も同じです。時代を超えた普遍性のある作品です。

<主演俳優賞>  お笑い芸人バカリズム 「架空OL日記」

お笑い芸人として活躍しているバカリズムさんが自身で脚本を書きOL役として主演しました。変にかまえず、会社で働く女性職員の本音のアレコレをコメディタッチで女性の一人として自然に演じました。ラストで本人役を演じている姿もあり「女優」「男優」と区別する必要もなく第1回の「主演俳優賞」に選びました。

なお、来年以降も性別に対する時代の変化を踏まえ「主演俳優賞」といたします。

<話題賞> 「鬼滅の刃 無限列車編」 外崎春雄監督

第44回日本アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞作です。

2020年の映画界を語る上でこの作品をはずすことはできません。320億円を超える興行成績はコロナで青息吐息だった映画館をこの一作が救ったと言っても過言ではありません。2021年4月現在も上映継続中)

<特別賞> 「はりぼて」五百旗頭幸男(いおきべ ゆきお)、砂沢智史監督

富山県のローカルテレビ局のスタッフが地元の政治家の不正を明らかにし、次々議員辞職に追い込まれます。その顛末と自身のその後を描いたドキュメンタリー映画です。

税金を自分の懐に入れたり、税金で美味しいものを食べたりする議員さんが国会にもいるようですが貧しさの現れですね。

自身の姿もさらけ出した監督たちには拍手をおくりましょう。

<東日本大震災10年記念賞> 「風の電話」 諏訪敦彦監督

東日本大震災で家族を亡くした17歳の少女が育ててくれた叔母と住んでいた広島から福島までを辿ったロードムービーです。

壊れかけた魂が出会った人々によって少しずつ回復していく姿をドキュメンタリー風に描きました。

2020年 汚れた灰皿賞(モクモク賞) (注3)

<汚れた灰皿賞(モクモク賞)>

「影裏」(大友啓史監督 ソニー)

「酔うと化け物になる父がつらい」(片桐健滋監督 ファントムフィルム たばこと塩の博物館協力)

「ミッドナイトスワン」(内田英治監督 キノフィルムズ)

「窮鼠はチーズの夢を見る」R15+(行定勲監督 ファントムフィルム)

*汚れた灰皿賞(モクモク賞)について

(注3)「汚い灰皿賞」(Dirty ashtray award)は喫煙シーンの多い映画に対して授与される不名誉な賞です。

過去の受賞歴(作品賞)

2019年度「新聞記者」 (藤井道人監督)

2017年度「ミックス。」(石川淳一監督)

2016年度「シン・ゴジラ」(庵野秀明監督

2015年度「ビリギャル!」(土井裕泰監督)

2014年度「魔女の宅急便」(清水崇監督)

2013年度「はじまりのみち」(原恵一監督)

2012年度「しあわせのパン」(三島有紀子監督)

2011年度「ツレがウツになりまして。」(佐々部清監督)

2010年度「アンダンテ ~稲の旋律~」(金田敬監督)

2009年度「おと・な・り」(熊澤尚人監督)

2008年度「ハンサム★スーツ」(英勉監督)

2007年度「キサラギ」(佐藤祐市監督)

(2005年、2006年は該当作品なし)

2004年度「父と暮せば」(黒木和雄監督 宮沢りえ、原田芳雄出演)

 

過去の無煙映画大賞

 

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