取り組み
更新日時:2023年5月9日

2021年度無煙映画大賞と受賞理由

無煙映画大賞作品賞  「梅切らぬバカ」 和島香太郎監督 

無煙映画大賞俳優賞 内野聖陽 「劇場版 きのう何食べた?」中江和仁監督

無煙映画大賞特別賞 「パンケーキを毒見する」 内山雄人監督

無煙映画大賞アニメ映画賞 「竜とそばかすの姫」 細田守監督

無煙映画大賞ストップスモーク賞 「いのちの停車場」 成島出監督

無煙映画大賞外国語映画賞  「アメリカン・ユートピア」 スパイク リー監督

無煙映画大賞の目的

この賞は次のようなことを目的に設けられました

➀ 映画に携わる俳優及びスタッフなどすべての働く人々をタバコの能動喫煙、受動喫煙の害および残留タバコ煙の害から守ること。

➁ 映画俳優の喫煙シーンがきっかけでタバコ依存症などになった人が多いので、喫煙シーンをなくすことで当事者だけでなく観客もタバコの害から守ること。

➂ 2004年に日本も批准し、世界179以上の国や地域が批准している国際条約「タバコ規制枠組条約(FCTC)」第13条(注1)を遵守することを促します。

④ ①、②、③により、映画に関わる人々がいつまでも元気に活躍され、また映画を楽しむことができること。また、タバコのない健康な社会となることを願うものです。

 

選考に当たっては、以下のことを考慮しました。

➀ 2021年中に一般公開された日本語映画であること。ただし、原則として時代劇とアニメは除く。

➁ 作品にタバコの煙がでないこと。PP(注2)としてのタバコも登場しないこと。

➂ 誰でもが楽しめる内容であること。

④ なお、特別賞については今の世の中を反映した作品を選定しています。

(注1)FCTC第13条 タバコの広告・販売促進・スポンサーシップの制限・禁止。従来からある情報提供手段(印刷・テレビ・ラジオ)およびインターネット、携帯電話、映画を含むあらゆる形のニューテクノロジーを用いた情報提供手段による広告・宣伝の禁止。

(注2)PP(product placement) とは、映画やテレビの番組内で、広告主の商品を使い、認知やイメージを高めようとする広告手法。広告主は、商品を製作側に提供する。CMよりも商品に対する視聴者の重要度が高いという長所がある。反対に、商品の表現について製作側から制限される場合もある。製作者側も広告主も共同のキャンペーンが張れるというメリットがある。(経済ビジネス用語辞典より)

<受賞理由>

<作品賞> 「梅切らぬバカ」 和島香太郎監督

老いた母親(加賀まりこ)と知的障害がある息子(塚地武雅)が暮らす古い家の隣に引っ越してきた家族との多少ギクシャクしながらもお互いに理解しようと歩み寄る姿を描きました。

善人だけではない社会の厳しさや誤解によるいざこざなども描かれ考えさせられる作品です。

<主演俳優賞>  内野聖陽 「劇場版 きのう何食べた?」

おなじみのテレビドラマの劇場版です。「山本勘助」などの役のイメージが強い内野がゲイの役を生き生きと演じています。ゲイカップルの悩みはあれこれありながらも美味しい夕食を二人で食べる時間を大切にする姿は生きる基本です

<特別賞> 「パンケーキを毒見する」 内山雄人監督

第99代内閣総理大臣菅義偉の経歴の紹介、そしてポーカーフェイスに隠された真実の姿をあぶり出したドキュメンタリー作品です。社会派映画というととかく難しい内容になりがちですが、アニメなどを使いわかりやすい政治エンタメ作品となりました。

<アニメ映画賞> 「竜とそばかすの姫」 細田守監督

母親の死がショックで歌えなくなった少女が仮想社会の中でアバターを使って歌えるようになり大ブームを起こします。そして近くで救いを求める「竜」を探すという、現代社会の闇を含みながらも美しく描きました。

<ストップスモーク賞> 「いのちの停車場」 成島出監督

女性医師役の吉永小百合が末期がんの患者(小池栄子)がタバコを吸おうとしたときに「吸わないで」と止めるセリフがありました。タバコは出ますが喫煙を止めるセリフを評価したいと思います。

<外国語映画賞> 「アメリカン・ユートピア」 スパイク リー監督

デビット バーンのブロードウェイのショーをスパイク リー監督が映画として再構成しました。様々なアイデンティティのアーティストがひとつになって舞台上で楽器を演奏しながら歌い踊り社会の問題をも問いかけるパフォーマンスは日本では決して実現しないショーです。一生記憶に残る映画です。

2021年 汚れた灰皿賞(モクモク賞) (注3)

<汚れた灰皿賞(モクモク賞)>

映画内でタバコ、タバコ煙、あるいはPPによる露出が異常に多いもの。

・「ドライブ・マイ・カー」PG12(濱口竜介監督 ビターズ・エンド)

・「キャラクター」PG12(永井聡監督 東宝)

・「ボクたちはみんな大人になれなかった」PG12(森義仁監督 ビターズ・エンド)

*汚れた灰皿賞(モクモク賞)について

(注3)「汚い灰皿賞」(Dirty ashtray award)は喫煙シーンの多い映画に対して授与される不名誉な賞です。

過去の受賞歴(作品賞)

2020年度「スパイの妻」(黒沢清監督)

2019年度「新聞記者」 (藤井道人監督)

2017年度「ミックス。」(石川淳一監督)

2016年度「シン・ゴジラ」(庵野秀明監督

2015年度「ビリギャル!」(土井裕泰監督)

2014年度「魔女の宅急便」(清水崇監督)

2013年度「はじまりのみち」(原恵一監督)

2012年度「しあわせのパン」(三島有紀子監督)

2011年度「ツレがウツになりまして。」(佐々部清監督)

2010年度「アンダンテ ~稲の旋律~」(金田敬監督)

2009年度「おと・な・り」(熊澤尚人監督)

2008年度「ハンサム★スーツ」(英勉監督)

2007年度「キサラギ」(佐藤祐市監督)

(2005年、2006年は該当作品なし)

2004年度「父と暮せば」(黒木和雄監督 宮沢りえ、原田芳雄出演)

 

過去の無煙映画大賞

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